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馬産地往来

2007年4月1日

ばんえいも道営も前途多難

主催者側はもっと情報発信を

後藤正俊

 この原稿を書いているのは3月末。 4月27日から帯広市の単独開催になるばんえい競馬では、 ソフトバンク・プレーヤーズの子会社 「オッズパーク・ばんえい・マネジメント」 へ多くの業務を委託して再スタートを切るための準備が進められている。 ホッカイドウ競馬は4月18日の門別開幕へ向けて能力検査などが着々と行われている。
 どちらもギリギリ廃止を免れている状況だけに、 新シーズンのスタートに気合を入れているはずだが、 その“気合”がまったく周囲に伝わってきていない。 マスコミに対して何のアプローチも行われていないのだ。
 北海道のスポーツ新聞には、 ホッカイドウ競馬、 ばんえい競馬の出走表が掲載されている。 たとえば関東地方のスポーツ紙に掲載されている大井競馬の出走表などは 「広告」 に近い扱いで、 主催者から金銭が支払われている。 これは競輪、 競艇、 オートレースなどもほぼ同様だ (販売面での協力の場合もある)。
 だが北海道の場合は記事として掲載されているため、 多少の付き合い広告はあるものの、 ほぼ無料に等しい。 ホッカイドウ競馬はスポーツ4紙がいずれも後半6レースから全レースをガン箱 (大型出走表) で掲載しているのだから、 これほど恵まれている公営競技は例がない。
 それだけスポーツ紙が好意的に扱っているだけに、 「話題」が提供されればさらに記事も掲載される。 広告を打てば1段当たり数万円かかるが、 記事なら無料なのだから“おいしい話題”をどんどん提供していけば大きな宣伝効果になる。 しかもいまは北海道版の新聞記事も各新聞社のサイトで掲載されているので、 その記事は全国のファンが見ることができる。
 もちろん各社の記者が門別トレセンや帯広競馬場に常駐していれば話題も独自で拾っていくが、 日本ハムやコンサドーレを抱える北海道の場合、 年間を通して競馬だけをやっていればいい、 という記者はほとんどいない。 オフシーズン中の競馬にまで手が回っていないのが実情だ。 それなのに主催者サイドから話題の提供がほとんどないのは、 もったいないことしか言いようがない。
 特に疑問なのはばんえい競馬だ。“お役所仕事”であればマスコミ対策まで目が行き届かない (というか必要性を感じていない) のもわからないことではないが、 ばんえい競馬は広報業務も 「オッズパーク・ばんえい・マネジメント」 が受託している。 その民間の新会社がまったく動かないのは首をひねるばかりだ。 新しい競馬をスタートさせるのだから話題はいくらでもあるのだろうに……。 親会社であるソフトバンクは、 「予想外割引」 などでマスコミに話題を提供して売り上げを伸ばすことに長けている会社だけに、 この新会社の動きの鈍さの理由はますますわからない。
 ばんえい競馬の購買層は年金生活を送っている高齢者が多い。 購買力は低いが、 毎日のように競馬場に足を運んで熱心に応援してくれている。 そんなファンにとっては1部500円の専門紙を買うのはかなりの負担だ。
「出走表や情報なら地方競馬全国協会や主催者のホームページにあるじゃないか」 と言っても、 高齢者でインターネットサイトを見ている人はほとんどいない。 1部130円のスポーツ紙に情報が多く掲載されればそれが足を運ぶ回数を増やすことになり、 売り上げ増にもつながる。
 コスモバルクやハルウララが“スターホース”になったのも、 地元の新聞が記事で取り上げたことがきっかけだ。 コスモバルクは確かに実力があったが、 予想以上に地元が盛り上がったために中央入りのきっかけを逸し、 ホッカイドウ競馬のスーパースターとして君臨することになった。 アナログな地方紙の記事は無視できない存在のはずだ。
 ようやくの思いで存続が決まったばんえい競馬だが、 現時点で決まっているのは新しいロゴマークと、 開催日程とナイター開催を行うことだけだ。 開幕まで1カ月を切った時点でこれだけしか発表されていないのでは、 ファンはまったく盛り上がってこない。 デジタルな宣伝活動だけでなく、 もっとアナログな動きを見せて新生・ばんえいをアピールしてもらいたい。





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