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日高便り

2008年4月1日

スリリングサンデーに注目

乗馬からよみがえった奇跡の種牡馬

北海道事務所・遠藤幹

 4月6日の産経大阪杯ではダイワスカーレットが歴戦の牡馬を抑えて快勝し、 牝馬最強は言うに及ばす、 現役中距離最強馬の呼び声も高くなった。 通算10戦7勝2着3回、 桜花賞、 エリザベス女王杯、 秋華賞と牝馬GIレースに3勝し、 有馬記念でも2着に食い込んだ本馬の前途は、 今後ますます輝きを増していくことだろう。
 ダイワスカーレットの兄ダイワメジャーも本年より社台スタリオンで種牡馬入りした。 マイルから中距離あたりを得意とし、 天皇賞 (秋)、 マイルチャンピオンシップ2連覇などGIレース5勝の実績を誇る。 馬体も雄大で素晴らしいものがあり、 500万円 (前払受胎条件) に設定された今年の種付の受付も早々と満口になった。
 このダイワスカーレット、 ダイワメジャーの兄が種牡馬スリリングサンデーだ。 数奇な運命から種牡馬入りしたスリリングサンデーの足跡を辿ってみたい。
 話は4年前に遡る。 2004年4月18日、 ダイワメジャーの皐月賞制覇を見届けた福島県のとある乗馬施設のスタッフが、 自分の施設にいるダイワメジャーの兄貴の存在に気付いた。 同じサンデーサイレンスを父に持つスリリングサンデーだった。 乗馬用に譲り受けた馬だったが、 幸運にも去勢手術を免れていた。 こんな良血馬をこのまま乗馬にしておいていいのだろうか? 乗馬施設が急ぎ電話した先は、 社台ファーム。 とんとん拍子に話は進み、 スリリングサンデーの人生 (馬生) は一変した。 1週間後の4月24日、 スリリングサンデーは門別町 (現日高町) のブリーダーズスタリオンに種牡馬として迎えられたのだ。
 ただし、 種牡馬として供用するためには種畜検査を受けて合格しなければならない。 のんびりした役所を急がせるが種畜検査は到着日から3週間後の5月17日となって、 残された種付期間は2カ月もない状況だった。
 そこで配合牝馬を集めるために取られたウルトラCは、 種付料を無料にすること。 「皐月賞馬ダイワメジャーの兄! サンデー系の良血種牡馬!」 という宣伝文句プラス出血大サービスの効果はてきめんで、 シーズン終了までの短期間に73頭の牝馬と交配することができた。
 しかし、 つぶさにスリリングサンデーの競走成績を分析すると、 この馬の能力の高さが随所に伺い知れるのだ。 新馬戦はシンボリインディに競り勝ち、 3戦目のエリカ賞ではアドマイヤベガにタイム差なしの2着、 4戦目の福寿草特別ではトゥザヴィクトリー、 ナリタトップロードを相手に楽勝するなど、 世代トップクラスの能力を示す。 その後、 たびたび脚部不安に見舞われて通算3年半余りも休養することになって大成を阻まれたが、 間違いなくGI級の競走能力を秘めていたといえるだろう。
 スリリングサンデーは、 弟のダイワメジャーと同様に、 馬体が雄大で大変見栄えがし、 仔出しも良い。 初年度産駒が出場した2006年のHBAオータムセールでは、 1550万円で取引される馬も出現し、 無名種牡馬の秋せり高額馬の出現に市場がどっと沸いたのを、 私も鮮明に記憶している。
 このスリリングサンデーの産駒がデビューしたのが2007年、 昨年だった。 32頭の産駒のなかから浦和桜花賞2着、 桃花賞勝ちの大井所属馬インカローズ、 船橋所属の5戦2勝の実力馬ジルグリッター (前述した1550万円の取引馬)、 数少ない中央入厩馬からもデルマアルタイル、 デルマベガ、 ベルクハイルといった勝ち馬を出すなど、 なかなかの活躍ぶりなのだ。
 初年度の73頭をピークにその後、 20~30頭台の交配数に低迷していたスリリングサンデーだったが、 産駒の活躍もあって今年は種付数の自己記録を更新しそうな勢いだ。 4月9日現在、 33頭の種付を消化しているが、 妹のダイワスカーレットの活躍もあって、 80~90頭の配合牝馬の確保は確実視されている。
 本年の種付シーズンは、 当初HBA門別種馬馬に繋養されていたが、 種付数の大幅増を受けて再度ブリーダーズスタリオンに入厩している。 不思議な運命を辿ってきたが、 今度こそ己の力で道を切り開いていきそうだ。
 種付料は受胎条件20万円。 ただいま好評受付中です。





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