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日高便り

2020年12月25日

JBC2歳優駿が行われたホッカイドウ競馬

北海道事務所・遠藤 幹

 ホッカイドウ競馬は、11月5日に今シーズンの全日程を終了した。総発売額は520億4480万円(82日間の開催)。これは従来のレコードである1991年の454億838万円を66億円以上も上回り、昨年との発売額対比では57.3%の大幅増(昨年:330億8214万円)となった。1日当たりの発売額は6億3469万円にも上る。競馬ファンの熱い支持があってのこの金額。ファンの皆さんには本当に感謝したい。

 11月3日、本年が第1回目となるJBC2歳優駿。当日私は競馬場を訪れた。この日から限定的ではあるがファンを場内に招いて競馬を開催。関係者を含め240名あまりの入場者数とはいえ、大レースを前に場内には華やいだ雰囲気があった。
 入場門から奥の旧スタンド(Aスタンド)は、一部3階建てに改築され、2階と3階は来賓、馬主用のフロアになった。2階は赤、3階は青のカーペットが敷かれて、豪華な雰囲気が漂う。交流重賞の日、遠方からJRAの馬主様が来場された際などに、このフロアを有効に活用するのだろう。
 フロアには、貸出カードに現金をチャージし馬券を購入する発売機(キャッシュレス投票端末)が設置してある。私も少々馬券を買ってみたが……うーん、年配者には従来の現金引換え馬券発売の方が簡単だ(笑)。スタンド2階にはテラスも設けられ、パドック全体を眺めることもでき、JBC2歳優駿開催を機に、関係者の方に心地よく過ごしてもらうスペースを充実させたようだ。
 その他、カラマツ材をふんだんに使った総2階建ての建物が新たにできた。当日は閉鎖されていたが、ここにもキャッシュレス端末を上下階に設置してある。走路側に大きく窓があり無人券売機でファンにレースを楽しんでもらう趣向のようだ。
 肝心のJBC2歳優駿は、ホッカイドウ競馬所属のラッキードリームが見事優勝した。上位5頭のうち4頭までも地元勢が占め、ホッカイドウ競馬の底力を示すこととなった。大井で行われたJBC3競走と合わせて発売額も70億円を突破。2場分離開催とコロナ禍での開催で心配な点はいろいろあったが、本年20回目を迎えたJBCは、地方競馬の祭典として、またダートトップホースの頂上決戦の場として、まずは盛況裡に終了した。

 私自身がホッカイドウ競馬に深くかかわるようになったのは、JBC協会が、存続の危機にあったホッカイドウ競馬を本格的に支援してからだった。勝ち馬の馬主に人気種牡馬の種付け権を付与する「スタリオンシリーズ」が始まったのが2000年、09年には新スタンドのポラリスドームに大型ビジョン(JBCビジョン)と、入場門近くに新たに造成した駐車場(JBC駐車場)とを主催者に寄贈し、本場の居心地の良さの演出にJBC協会は尽力した。「がんばれホッカイドウ競馬!」の情報発信事業にも資金提供し、ホッカイドウ競馬のPRとファンの獲得にも協力してきたと思う。しかし、そういった中にあっても、2010年前後の総発売額は110億~115億円(1日当たり1億4000万~1億5000万円前後)ほどと低迷し、赤字経営から脱却できず、ホッカイドウ競馬は厳しい運営が続いていたことも事実である。
 しかしその後、ネットと馬券発売の親和性の良さが、ネット投票依存度の高かったホッカイドウ競馬に幸いし、徐々に売り上げを伸ばしていく。13年には138億7574万円を売り上げ、22年ぶりに収支を黒字にした。16年に総発売額は200億円を突破し、以降も順調に成績を上げていく。そして、コロナ禍に見舞われた今年は、巣ごもり生活が続く中にあっても競馬開催が中断することはなく、逆に娯楽が限られる中で競馬への興味関心が高まり、ファンや馬券発売額の増加に結び付いたのは、本当に幸運だったと思う。
 馬産地競馬として、良血の2歳馬も多く、坂路トレーニングでその素質もさらに鍛えられ、レベルの高いレースを提供できるホッカイドウ競馬。関係者の皆さんの努力も相まって成し遂げた今年の好成績に拍手を送りたい。
 とはいえ、コロナ感染症の流行はまだ当分続くだろう。これらがまたどのように競馬運営に災いするかはわからない。注意深く対策を講じながらの競馬運営はまだ当分は続くと思われる。ウィズコロナ時代にあって、ホッカイドウ競馬に限らず、セレクトセールも、私の会社(株式会社サラブレッド・ブリーダーズ・クラブ)の種牡馬事業も含め、馬産地の経済を回していく取り組みはたゆまず続けていかねばならないと思う。





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