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日高便り

2021年8月25日

セレクトセール2021を振り返る

北海道事務所・遠藤 幹

 7月12日、13日の2日間にわたって開催された「セレクトセール2021」。昨年に引き続き、新型コロナ感染症が猛威を振るう中でのセリの開催であり、万全の感染症対策を施してセールが開催された。
 3密(密閉、密集、密接)を防ぐことを主眼に置き、会場に関しては購買者様を最優先とし、それ以外の人数を極力減らすこと、検温施設や消毒用アルコールを各所に配置すること、会場内の席数を減らすことなど、様々な対策を徹底し、お客様の受け入れ態勢を整えた。
 これらは昨年からの継続したコロナ対策であるが、本年はさらにネットを利用した入札システム(オンラインビッド方式)を本格的に稼働させ、会場にお越しにならない購買者の方への利便性も図った。これら対策の効果もあり、一定の距離的空間のある会場運営がなされた。購買者様用のテントも人でごった返すこともなく、快適な空間でお過ごしできたのではないだろうか。
 結果は既に報じられている通り、大変活発なものとなった。472頭が上場されて439頭が落札され、落札率は93.0%。落札総額は225億5600万円、平均価格は5138万円となった。1億円以上の金額で落札された馬も1歳馬が28頭、当歳馬が24頭の合計52頭に上り、落札率、落札総額、平均価格とも過去の記録を塗り替えてレコードを樹立。世界中探しても、こんなサラブレッドオークションはないと断言できる、とにかく破壊力のあるすさまじい結果となった。
 今回のセールでは、一人の新しい購買者の方の登場で、セリの流れが大きく変わったように感じる。トップバイヤーの藤田晋様が2日間で18頭をご購買、その総額は23億6200万円に達した。昨年のトップが11億4500万円だったので、その2倍強の数字ということになる。そうなると他の購買者の方々がお買いになる馬の価格も順次引き上げられていくこととなり、中間価格帯の馬も高くなる。以下、連鎖した玉突き現象が続き、最終盤のセールでも高額取引馬が続々登場し、熱気を含んだままセールは終了した。一例を示せば、落札金額上位20名の方のご購買額の総額は昨年97億2400万円(落札総額の51.8%)だったものが、今年はプラス30億円増の127億3900万円(落札総額の56.5%)に達し、上位層の方々によるご購買が落札総額の6割近くまで達したのだった。
 この凄さは、種牡馬別の産駒取引の実態を見ても窺い知れる。従来はディープインパクトやキングカメハメハといったリーディングサイアー級の種牡馬の産駒が、高額取引馬の大多数を占めていたものが、1歳市場に最終世代が数頭上場されたディープインパクトを除けば、父馬の顔ぶれは大きく入れ替わってきた。その中にあっても52頭もの1億円以上の取引馬が出現し、その父も多種多様な21頭に上ったのだ。これまでのような単純に父馬の名前で購入馬をお選びになるのではなく、ブラックタイプや馬体やその動きなど総合的に判断してご購買された結果が、このセール成績に如実に表れていると思う。今年の1歳セールの最終盤で、シルバーステート産駒が2億6000万円で取引されたのが、その最たる象徴のように思えた。
 このセール成績は、ご購買者の皆様のセレクトセールにおける熱い思いがなくしてはとても到達できない数字である。ご購買者の皆様、多数のご購買をいただき本当に有難うございました。セレクトセールでの優駿との出会いが、そのまま競馬場でのご所有馬の活躍につながっていくことを切に願っております。

 私ども運営スタッフの仕事にも触れてみたい。初めて運用されたオンラインビッドもスムーズに機能し、何頭かの馬を落札まで導いていた。また、受付システムも事前登録データを座席表や屋外テントと紐づけを行った結果、お客様に座席表をプリントしてお渡しすることもできるようになった。そのことでお客様をスムーズにお席やテントに案内することも可能となり、目立たないところではあるが、サービスの向上と業務の効率化を図ることができたと思う。私自身は、鑑定台脇の契約ブースに終日缶詰であったが、落札価格と落札者の紐づけ、続いて売買確認書のプリントとご署名取り、戻ってきた確認書の最終チェックとその後の公式発表……この一覧の流れを社台グループの事務局スタッフと一緒に行っていた。大変スムーズに業務は流れ、特段のトラブルなくセールが終了できたことは、毎年のことながらほっとするものである。
 今年のセールの熱気は、受付ブースにいる私にも伝わってきた。ご購買者の皆様、上場者の皆様、セリに関わる全ての運営スタッフの皆様に厚く感謝申し上げます。毎年このセールに微力ながら携われることを本当に幸せに思います。

※文中の金額は税別



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