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2023年10月25日

私の馬券必勝法?

北海道事務所・遠藤 幹

 「普段馬券を買わない」という男の馬券話だから、おそらく屁にもならない与太話です。申し訳ありませんが、しばしお付き合いください。
 ホッカイドウ競馬が開催される門別競馬場の重賞競走の際に、種牡馬所有者を会員とする一般社団法人ジャパンブリーダーズカップ協会(略称・JBC協会)では、勝ち馬の馬主あるいは生産者に、翌年の人気種牡馬の種付権利を贈呈する「スタリオンシリーズ」を開催しています。私は、そのJBC協会の吉田勝己会長を代理し、事務局員として交配証書の目録を表彰式でプレゼントする役目を担い、時々競馬場へ行っています。
 その時、私はその重賞競走(たまには複数レースも)の馬券を買います。買う馬券は馬番連勝複式(馬複)2点、各500円の合計1000円のみ。何ともせこい買い方で申し訳ありません。ところがこの馬券、割と的中するのです。今年、ホッカイドウ競馬でこの買い方で15レース、計1万5000円の馬複馬券を購入し、その配当は1万8000円。わずかながらも、いまだプラス計上なのです。ホッカイドウ競馬は頭数も手ごろでまぎれも少なく、特に重賞競走は実力比較が容易なケースが多くあります。しかもパドックで馬体や気配を直前チェックできますし、私のような者でも馬券が当てやすいのでしょう。
 もう一つ当たる秘策を述べれば、芸人のキャプテン渡辺さんのネット情報の受け売りですが、「馬券は買い目が多いと負ける」が私にとって「神の預言」だったから。馬複の総流しやボックス買いは当たりやすいですが、的中は基本的に1点のみ。同時に数多くのはずれ馬券も購入していることにもなりますから、回収率を悪化させ、結局収支はマイナスにつながりやすいですよね。極論を言えば、馬券は胴元(JRA、地方競馬主催者)が25%前後ものテラ銭を差し引いたうえでのマネーゲームであり、過剰な購入金額と買い目の多さは負けに直結してしまうのではないでしょうか。購入馬券の期待値は、購入した瞬間に投資金額の75%ほどに低減しており、キャプテンさんの馬券の買い方=「買い目は少なく!」は私にとって大変、腹落ちするアドバイスでありました。
 こんな理屈をこねながら、ちびちび馬券を買っておりますが、最近、経済評論家や株式投資アドバイザーを専業としながら、馬券大好きオヤジとして月刊誌の『優駿』にコラムを連載している方を発見しました。コラム「競馬と経済 なるほどセミナー」の筆者、山崎元さんです。ご本人は数多くの著作があり、最近では全世界株式インデックスファンドを毎月、積み立て購入する「ほったらかし投資」で個人投資家の人気を集めていらっしゃいますが、馬券は「ほったらかし」ではなく、様々なファクターから勝ち馬を推理する「アクティブ運用」を得意とする馬券師のようです。
 短期の株式投資は、市場のゆがみ(本来は高い評価があってしかるべき会社の株式を、割安に放置されているところで購入し、値上がりを待つ)を利用する投資ですが、山崎さんは馬券にも人気のゆがみがあり、そこをうまく利用すればもっと儲けられるのでは?と考察します。私が目にしたコラムで取り上げられていたのは「まぐ」さんという方が雑誌で発表した予想法でした。前走の長距離レースでいまいちだった馬が、それよりも短い距離のレースに出走する場合、実際に勝率は上がるのですが、馬券的には人気になり過ぎることも多く、回収率は悪化するというデータがあるとのこと。この逆を行って次走で距離延長した馬のほうを馬券対象として狙ってみては?という予想法なのですが、人気のゆがみと逆張り(人の行く裏に道あり花の山)は、まさに株式投資! また、細かいデータを吟味する点など、株式評論家であることが馬券の購入にも有利に働いているようにお見受けします。
 一方、会社経営者を長期にわたって眺めると、代を経るうちに小粒な経営者に置き換わり、会社業績が停滞するケースがままあるそうで、これなどは成功種牡馬から代を経るごとにその父系に勢いがなくなっていくことの相似形であり、だからこそ、会社経営者も種牡馬導入も外部から新しい人材や父系を入れる必要があるのでは?と主張されています。この主張には私も妙に納得してしまうのです。
 ホッカイドウ競馬の馬複は払戻率が75%ですから、今年の私の馬券購入額1万5000円の25%、3750円は確実に主催者の懐に入ります。差し引き1万1250円を投資して、1万8000円の払い戻しですから、60%もの利益を出しているのですが、現実には20%、3000円の利益しかありません。主催者に控除された金額は競馬観戦のお楽しみ代とよく言われますが、そんなやわな気持ちではなく、馬券を買う以上は、テラ銭を引かれた後に残ったマネーを、人よりいくらかでも多く獲得したいと思いながら、門別競馬場で出馬表と目の前のパドックを周回する馬とを凝視しています。以上、経済的利益、いや損得にこだわり続ける私のせこい馬券術のお話でした!

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