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2011年8月25日

セレクトセール 大盛況

良血馬が増え新規購買者も増加

北海道事務所・遠藤 幹

 7月11日、12日の2日間にわたって開催されたセレクトセールは大盛況のうちに終了した。詳細については他に譲るとして、2007年以降4年連続で売り上げが減少(昨年は64億9610万円・税別)していたセレクトセールだったが、今年は前年比40%増の91億7320万円(税別)まで売り上げを伸ばし、文字通りV字回復を果たした。
 正直なところ、国内の経済状況や東日本大震災の影響等を考えると、牧場への下見のお客様が例年以上に増加しているとは聞いていたものの、ここまで売り上げを伸ばすとは想像できなかった。微力ながらセリ運営に関わった一人として、この数字の凄さには驚くばかりだ。
 ただ、今年は例年にも増して良血馬が数多く上場されており、その点、セリ結果が楽しみなところもあった。ダービー馬の兄弟だけでも3頭(ディープインパクトの当歳弟、ウオッカの1歳弟、ディープスカイの1歳弟)を数え、宝塚記念馬ナカヤマフェスタの弟や天皇賞馬ヒルノダムールの弟をはじめ、今が旬の良血馬が目白押しだった。
 今年は購買登録者数も昨年比で15%増の411名になり、新規購買者も51名を数えた。セリの流れを見る限り、上場番号51番のエアグルーヴの2010(3億6000万円で落札・1歳セリのレコード価格)を境に、やや上値が重かった取引が一変し、2~3000万円ならばお買い得といったムードに変わったように感じる。その良い流れのなか、2日目の当歳セリも好調を保ち、活発な取引が続いた。さすがに最終盤の30頭ぐらいは厳しい状況になったところは来年の課題としたい。 毎年のことだが、セレクトセール開催に当たっては、関係スタッフと綿密なミーティングを行って、来場されるお客様に気持ちよくセリに参加していただけるよう、小さな改善を繰り返してきた。施設、食事、接客、鑑定、受付、契約、待機厩舎の管理、上場馬の入退場、駐車場への誘導に至るまで、各部門の仕事でより良い方法がないかを検証し、点検チェックを怠らない。その積み重ねがセリの根幹を下支えし、スムーズなセリ進行につながっている。
 セリ名簿ひとつとっても、購買者の利便性を考慮して、次の3点をはじめ、小さな改善をさまざまな面で繰り返してきた。 
 ①各ページに厩舎番号のインデックスを付け、気になった馬を即座にチェックできるようにする。
 ②上場番号を各ページの外側上部(左ページならば左上、右ページならば右上)に記載し、見やすくする。
 ③上場馬の写真(立ち姿)をカラー写真で掲載する。
 これらは購買者の方々からの意見や海外の市場カタログを参考にして、スタッフミーティングで取り上げられた事柄を名簿づくりに活かした一例だ。取り立てて言うことでないかもしれないが、カラー写真掲載を除き、HBAのセリ名簿ではこれらの工夫はなされていない。購買者の方々の利便性を考えると、①についてはすぐにでも改善すべきことのように感じる。
 今年も海外の購買者がセレクトセールで馬を購入されたが、さらに多くの海外の購買者にセリに参加していただくことが、今後の課題かと思う。国境を越えて世界各地からセリ参加者が押し寄せれば、間違いなくセリは活況を呈する。海外購買のルートをさらに太くし、かつ海外購買者にとっても日本でのセリに参加しやすい仕組みを作っていくことが今後ますます重要視されることは間違いない。
 最後になりましたが、この場を借りて、あらためて、セリに参加された購買者の皆様、上場いただきました生産者、コンサイナーの皆様、そしてセリに携わるすべての皆様に心よりお礼を申し上げる次第です。本当に有り難うございました。

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