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日高便り

2009年12月1日

計画比微減で道営閉幕

いよいよ5カ年計画の最終年度へ

北海道事務所・遠藤幹

 11月19日をもって81日間にわたる09年度ホッカイドウ競馬が閉幕し、 発売総額は対前年比101・4%の115億4570万円を記録した。 対計画比では97・9%ではあったものの、 まずまずの成績を残すことができたのではないだろうか。
 ゴールデンウィークの札幌開催では、 6日間で売上7億2100万円 (1日平均1億2000万円) と対計画比では88・5%という惨憺たる状況になって先行きが大いに危ぶまれたが、 5月20日からの門別ナイター開催に入ると、 76日間で108億2400万円、 計画対比98・6% (雨天中止の1日を除くと99・6%) と健闘した。 特に終盤の開催では計画を達成する日が続出して尻上がりに成績を伸ばし、 まさに 「追い込み競馬」 の様相であった。
 馬産地門別でのナイター競馬は大いに盛り上がった。 私も期間中何度も競馬場に足を運んだが、 カクテル光線に照らされた走路を競走馬が疾走するさまは、 迫力と臨場感いっぱいで十分に楽しめるものだった。 競馬自体も2歳戦の充実ぶりは地方競馬随一の水準であり、 「北海道競馬の2歳戦を見ずして地方競馬は語れない」 というレベルの競馬を展開している。
 新スタンド内のJBCビジョンの映像も美しく、 牛丼やモツ汁、 芝生広場でのジンギスカンなど、 場内で提供される食事もとても美味しい。 競馬場内で地域の皆さんがフリーマーケットやキャンドル作りなどさまざまな催し物を開催したり、 地元の生産物を格安で販売することも多く、 競馬以外でも楽しむことができた。 9月22日は秋の連休とも重なり、 入場者が2180人と、 この日高での競馬としてはすごい人出となった。
 その一方、 馬産地を含めさまざまな団体から支援を受けている競馬も北海道以外ないだろう。 種牡馬所有者の団体であるJBC協会は、 ナイター競馬のスタートに先駆けてスタンド隣接地に駐車場 (JBC駐車場) を造成し、 大型ビジョン (JBCビジョン) を新スタンド内に設営。 さらにこの秋には屋外用のヒーターを10台寄贈した。 また、 種付権利を優勝馬の馬主に贈呈する 「スタリオンシリーズ」 を本年も実施し、 他の競馬場での馬券発売枠確保にも大きく貢献している。
 競馬実行部隊の 「競馬運営推進室」 のスタッフの活動も目覚ましく、 地元農協や軽種馬団体などの有形無形の協力も大きな力となっている。 もしこれらの協力がなかったとしたら、 おそらく5年前にはホッカイドウ競馬は消滅していただろうと思う。
 今年から競馬の運営主体が 「官」 の北海道から 「民」 の(社)北海道競馬振興公社に移り、 その手腕が問われた1年だった。 正直なところ、 競馬運営の主体として、 何をどうやって競馬の売り上げアップにつなげていけばよいのか手探り状態のようにも見受けられた。
 ホッカイドウ競馬の売り上げ増に特効薬はない。 いかにファンに面白い競馬番組を提供して馬券発売に結び付けていくか、 知恵を絞って汗をかくしかない。
 現在のホッカイドウ競馬の売り上げの60%強はネット発売や南関東を中心とした他の競馬場での発売が占めており、 この現実を踏まえたうえで、 いかに売上増進を図るかにポイントがある。 ネット発売や他の競馬場での発売の需要を喚起し、 売り上げにつなげていく取り組みを強化していくことがさらに要求されている。
 明くる平成22年はホッカイドウ競馬再生5カ年計画の最終年度であり、 競馬の収支均衡を求められた運命の年になる。 平成17年に高橋はるみ知事が 「収支均衡ができないときは競馬を廃止する」 と道議会で表明したのだが、 この事実は大変重い。
 推測するに今年の収支はおおよそ3億円程度の赤字に収まると思われるが、 この赤字をさらに削減して収支均衡にするためには、 経費のさらなる見直しと圧縮、 そして売上の大幅増加がないと達成できるものではなく、 来年度にクリアすべきハードルは非常に高い。 「選択と集中」 に努め、 とにかく結果を出すべく頑張るしかないのだ。
 特に運営主体となる振興公社や厩舎関係者の方々にとっては、 来年度の競馬成績は文字通り 「生活」 をかけた取り組みとなる。 関係者のより一層の奮起を期待するとともに、 競馬の運営主体として収支均衡に向けて遮二無二努力することによって、 競馬存続の道は必ず開けるものと信じたい。

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