重賞勝ち馬News

Stallions in Japan

会員の勝ち馬

取引馬データベース

よくある質問

日本競走馬協会について

バナーエリア

日高便り

2005年2月1日

2005年新種牡馬事情

内国産を主体に各地に期待馬続々

北海道事務所・遠藤幹

 今年も、 個性豊かな新種牡馬が各地の種馬場にスタッドインした。 現役時代に競馬場を沸かせたスターホースあり、 世界の名馬や一流良血馬ありといった多士済々ぶりだが、 種付シーズン本番を控え、 供用地区別にその顔ぶれを眺めてみたい。
最大手の早来・社台スタリオンには、 2頭のダービー馬がスタッドインした。
 ネオユニヴァースは皐月賞とダービーを制した2003年クラシック二冠馬。 サンデーサイレンスが送った5頭目のダービー馬となる。 類まれなレースセンスと抜群の勝負強さから、 ダービー優勝の時点で史上6頭目の三冠馬誕生かと思わせるものがあった本馬だが、 今後は自身の血を広げるべく、 先輩サンデー種牡馬との競争が始まる。
 キングカメハメハは、 NHKマイルC、 ダービーという異なるカテゴリーのGIレースを制した 「新二冠馬」 ともいうべきキングマンボ産駒だ。 こちらも異次元の強さで圧勝を重ね、 そのインパクトには強烈なものがあった。 両馬とも余勢は満口となり、 予想されていたこととはいえ、 その人気は凄い。
 門別地区のブリーダーズスタリオンではイーグルカフェが供用開始となる。 NHKマイルCとJCダートという芝・ダートのGIレースを制したガルチ産駒。 2歳から7歳までタフに走りぬいた頑丈さも産駒に確実に受け継がれることだろう。
 日高軽種馬農協は、 ザグレブ以来の輸入種牡馬キッケンクリスを導入した。 アーリントンミリオンなど米国の芝中距離GIレースを2勝した実績馬で、 父がシンボリクリスエスでお馴じみのクリスエスということもあって人気を集めそうだ。
 新冠の優駿スタリオンには、 4頭の新種牡馬がスタッドインした。 ノーリーズンは名種牡馬ブライアンズタイム産駒の皐月賞勝ち馬、 スターリングローズはダートチャンピオンサイアーのアフリートが送ったGI優勝のスプリンターだ。 カネツフルーブは名牝ロジータを母に持つ実力馬 (ダートGIを2勝) で、 長めの距離を得意とした。 輸入種牡馬ダージーは、 あのドバイミレニアムの全弟という良血馬だ。 4頭とも種付料も手ごろな価格に設定されており、 生産者の関心を集めることだろう。
 静内地区の日本軽種馬協会には、 名馬シルヴァーチャームがスタッドイン。 ケンタッキーダービー、 プリークネスSの二冠を制し、 ドバイワールドCも優勝した実績は、 新種牡馬陣のなかではピカイチ的な存在である。 また、 早世したウォーニングの代表産駒サニングデールも種牡馬入りした。 こちらは高松宮記念を制したスプリンターだ。
 アロースタッドには、 安田記念馬ツルマルボーイがスタッドインした。 サンデーサイレンスの最良後継馬ダンスインザダークの遺伝子は、 ツルマルボーイを通して確実に産駒に伝わることだろう。
 レックススタッドにも4頭の新種牡馬がいる。 サクラプレジデントはネオユニヴァースとクラシック戦線を戦ったサンデーサイレンス産駒。 中山記念、 札幌記念などに優勝と、 中距離戦線で安定した力を発揮した。 リージェントブラフは川崎記念を制した砂の王者、 ビワシンセイキは人気種牡馬フォーティナイナーの重賞勝ち馬、 モルフェデスペクタはデヒアを父にもつスプリンターだ。
 浦河地区に目を向けると、 日高スタリオンには、 エンドスウィープを継ぐ輸入シンジケート種牡馬プリサイスエンドが導入されたほか、 ダート交流重賞で活躍したフレンチデピュティ産駒のノボジャック、 ネオユニヴァースの全兄チョウカイリョウガもスタッドインした。
 さらにイーストスタッドでは、 中距離重賞を4勝したダンシングブレーヴ産駒のジョウテンブレーヴが供用を開始する。
 以上、 駆け足で新種牡馬の顔ぶれを見てきたが、 ここ数年の傾向としては、 輸入種牡馬による大型シンジケートは大きく減少し、 内国産種牡馬が大多数を占めている。 また、 サラ系種牡馬の供用頭数も、 2000年の366頭が2004年には328頭に減少した。
 とりもなおさず、 今なお低迷する馬産地の経済状況を反映しているわけだが、 その一方で1種牡馬あたりのサラ系交配牝馬数は、 サラ系交配牝馬総数が減っているのに対し (この4年間で1万1859頭から1万987頭へと872頭も減少)、 2000年の32・4頭が2004年には33・5頭と微増している。 これは用途変更となって引退する種牡馬が増加する一方、 人気種牡馬はさらに配合頭数を増やしていることを示している。
 まさに種牡馬間の競争がますます熾烈になっている現状を反映しており、 この傾向は今後も続くことだろう。
 そういう状況だからこそ、 期待されてスタッドインした新種牡馬としても安閑としてはいられない。 現役競走馬を引退したあとも、 種牡馬としてのサラブレッド・バトルは永遠に続くのだ。

バックナンバー

過去の日高便り

2024年

2023年

2022年

2021年

2020年

2019年

2018年

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年

2012年

2011年

2010年

2009年

2008年

2007年

2006年

2005年

2004年