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2004年12月1日

ホッカイドウ競馬 大健闘

来年は再建計画の最終年度

サラブレッドブリーダーズクラブ・遠藤幹

 平成16年も残りあとわずか。 馬産地では何かと気ぜわしい一方で、 あいも変わらず景気の良くない話が多いのだが、 そんな状況下での産地競馬 「ホッカイドウ競馬」 の健闘ぶりを振り返ってみたい。
 4月21日に開幕した02年度のホッカイドウ競馬は、 11月11日に85日間 (台風による全レース中止が1日あったため実質84日間) の全日程を終了した。 発売総額は113億453万円を記録し、 昨年度の実績より2億3000万円アップ (対前年比2・1%増) と、 2年連続して前年を上回る結果を残すことができた。
 スタートダッシュよろしく、 4月から6月までの札幌開催で大きく貯金をつくり、 続く旭川、 門別開催で少しずつ貯金を吐き出しながらも当初のリードをなんとか守って逃げ切った格好ではあるが、 JRAや他の地方主催者が軒並み前年実績ダウンの苦境にあえぐなかにあって、 ホッカイドウ競馬だけが2年連続して増収を達成したのは、 本当に素晴らしいことだと思う。
 この好結果は、 競走馬の頭数確保によるレース数の維持、 新規ミニ場外の開設、 電話投票でも3連単の発売が可能になったこと、 スケールアップしたスタリオンシリーズの開催や町単位の応援ツアーなど、 さまざまな取り組みが今年も効を奏した表れだろう。
 そして何と言っても、 ホッカイドウ競馬から誕生したスターホース 「コスモバルク」 である。 この馬の出現がホッカイドウ競馬を大いに盛り上げることになった。
 9月2日に旭川競馬場で行われた重賞競走 「北海優駿」 への出走は、 岡田繁幸オーナーの協力もあって実現したコスモバルクの顔見世興業ともいうべきレースだったが、 当日はそのコスモバルク効果が決定的に現れた1日でもあった。
 9月2日の発売実績を、 前日と比較してみたい。 2日の発売総額は2億4853万円 (前日の9月1日は1億3046万円・以下同じ)、 本場の入場人員は4136人 (762人) と、 圧倒的な発売額と動員力だったのだ。 しかもこの2億4853万円という発売総額は、 当初の目標額を1億400万円も上回る大商い (目標額より72%増) であり、 直前に接近した台風16号による一部レースの取りやめで生じた発売額の大幅減をコスモバルク1頭で取り戻した結果になったのだ (そのあと台風18号の来襲で全レース中止が生じたが)。
 ご存じのように、 このあとコスモバルクは、 菊花賞4着を経て挑戦したジャパンカップでは、 勝ち馬ゼンノロブロイには水をあけられたものの、 外国馬ポリシーメイカーを直線で差し返して2着を死守し、 ファンの大喝采を浴びた。
 さらに、 種牡馬所有者の方々の協力で毎年実施されている 「スタリオンシリーズ」 (勝ち馬に副賞としてレース名に冠された種牡馬の種付権利を授与するレース) もホッカイドウ競馬の売り上げに大きく貢献した。
 前年の47レースから大幅増の全65レースにスケールアップした今年のスタリオンシリーズの発売総額は23億9500万円余りを記録し、 全発売実績の21・22%を占めるにいたった。 とりわけ他場発売では、 発売総額12億5100万円とこれまた総発売実績の52%を占め、 文字通りホッカイドウ競馬のドル箱シリーズになったのだ。 他場、 特に南関東でのスタリオンシリーズの認知度と人気は地元北海道以上のものがあり、 その結果がストレートに発売実績となって現れた格好である。
 高崎競馬や笠松競馬が競馬廃止を打ち出すなか、 来年度のホッカイドウ競馬は、 競馬再建5カ年計画の最終年度を迎えることになる。 2年連続で発売額増加を達成したとはいえ、 現状はまだまだ満足すべきレベルではない。 これまでにも増して主催者及び馬産地の英知と総力を結集し、 ホッカイドウ競馬の復興ををサポートしていかなければならない。
 幸い、 ここにきて朗報も続いている。 この12月14日には、 懸案だった札幌駅前の一等地にミニ場外 「Aiba札幌駅前」 が開設されることになった。 改正競馬法も平成17年1月1日から施行され、 民間も競馬運営や馬券発売に関与できるようになる。 少しずつではあるがホッカイドウ競馬にも追い風は吹き始めているのだ。
 来年もホッカイドウ競馬のチャレンジは続く。 微力ながら私も精一杯応援したい。

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