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日高便り

2019年12月25日

続々導入が発表される種牡馬

北海道事務所・遠藤 幹

 馬産地も本格的な冬を迎えた。強風が吹き荒れ、粉雪が舞う。こんな厳しい季節の中で、今まさに「ホット」なのは新種牡馬導入の動きである。
 2019年7月そして8月と、ディープインパクト、キングカメハメハの両巨星がこの世を去った。サイアーランキングは当面、大きな変動はないだろうが、ポスト・ディープ&キンカメを探る動きは例年にも増して強烈である。

 最大手の社台スタリオンステーションにはブリックスアンドモルタル(5歳=馬齢は19年現在、以下同)、ニューイヤーズデイ(8歳)といった次代を見据えた外国産種牡馬がスタッドインする。ジャイアンツコーズウェイを父に持つブリックスアンドモルタルは、社台グループでの導入が決まった後もアーリントンミリオン、そして現役最終戦のBCターフとG1レースを連勝した。通算成績が13戦11勝、G1・5勝を含むGレース7勝で、19年は無敗の6連勝と、年度代表馬を狙える圧倒的な成績を収めている。ニューイヤーズデイの父はミスタープロスペクター系のストリートクライ。本馬はBCジュヴェナイル優勝の後引退したが、産駒のマキシマムセキュリティが19年のケンタッキーダービーでは1着入線(その後降着)するなど、その種牡馬としてのポテンシャルの高さは既に証明済みだ。
 日高町のブリーダーズスタリオンステーションには3頭の新種牡馬がスタッドインする。朝日杯フューチュリティSを制し、2歳牡馬チャンピオンに輝いたサトノアレス(5歳)、皐月賞と大阪杯の中距離G1を制したアルアイン(5歳)は、ともにディープインパクトを父に持ち、雄大な馬格も相まって産地で大いに人気を集めそうだ。17年のジャパンCでレイデオロ、キタサンブラックを斥けたシュヴァルグラン(7歳)は、SS系の実力派種牡馬ハーツクライの血を後世に伝える役割を担う。芝中長距離部門で強力なパワーを発揮するハーツクライ。ジャスタウェイやスワーヴリチャード、そしてシュヴァルグラン……産駒にはクラシック路線での活躍が大いに期待されるところだ。
 お隣のダーレーでは2頭の輸入種牡馬の導入が発表された。ドバイワールドCを連覇したサンダースノー(5歳、父ヘルメット)。G1を4勝したタイムフォームレーティング128の実力馬の初供用先が日本。ダーレーグループの本気度が窺い知れる。ホークビル(6歳)は父にサドラーズウェルズ系のキトゥンズジョイを持ち、エクリプスSとドバイシーマクラシックの両G1に優勝した実力馬だ。
 新ひだか町ではアロースタッドに超大物種牡馬がやってくる。米国年度代表馬に2回輝いたカリフォルニアクローム(8歳、父ラッキープルピット)だ。3歳時にケンタッキーダービー、プリークネスSの二冠を制し年度代表馬に、5歳時もドバイワールドCなどG1・3勝を含む8戦7勝の成績でまたもや年度代表馬に選出された。19年の日本ダービーの覇者ロジャーバローズ(3歳、父ディープインパクト)もアロースタッドでの供用となるが、世代ナンバー1の実力を種牡馬界で試すこととなる。
 日本軽種馬協会ではアニマルキングダム(11歳、父ルロワデザニモー)の導入が発表されている。こちらもケンタッキーダービーとドバイワールドCに優勝した実力馬。豪州のATCダービー馬エンジェルオブトゥルースを出すなど種牡馬としての能力も一級品だ。
 新冠地区の優駿スタリオンステーションにはフェブラリーSの覇者モーニン(7歳、父ヘニーヒューズ)がスタッドインする。ヘニーヒューズ本馬を始め、その後継種牡馬もアジアエクスプレス、ヘニーハウンド、そしてモーニンと、計4頭が優駿スタリオンステーションで供用されることとなる。

 以上、駆け足で新種牡馬を眺めてきたが、例年にも増して多士済々かつレベルの高い種牡馬が顔を揃えている。馬産地の景気は比較的良好だが、その中にあってじわじわ繁殖牝馬数の増加が続き、ひいては種付数の増加にもつながっている。14年には延べ1万425頭の種付数であったものが、19年は1000頭増の1万1520頭に到達。当然、生産頭数も漸増しつつある。その中にあって種牡馬間で繁殖牝馬の奪い合いが続くこととなるのだが、過熱化する戦いの中で勝者はほんの一握り。果てしない競争と更新と淘汰が種牡馬の間で繰り広げられることとなる。





歴代G1勝ち馬

Stallions in Japan

サイアーライン