重賞勝ち馬News

Stallions in Japan

会員の勝ち馬

取引馬データベース

よくある質問

日本競走馬協会について

バナーエリア

日高便り

2026年8月25日

セレクトセール2026が終了して

北海道事務所・遠藤 幹

 7月13日と14日の両日にわたって開催されたセレクトセール。2日間の総計は、509頭の上場数に対して落札数が478頭、落札率は93.9%を記録した。落札総額は334億8400万円(金額は税別、以下同)、平均価格は7005万円に上り、1億円以上の高額落札馬は84頭に達した。落札総額は6年連続でレコードを更新。平均価格はセール史上2位、落札率は同5位、1億円以上の高額馬の頭数は史上2位と、依然として極めて高い水準を維持し、大盛況のうちに無事終了した。
 今や落札馬の6頭に1頭(17.6%)が1億円以上で取引され、その範囲を5000万円以上にまで広げれば、実に過半数の52.7%(252頭)が該当する。まさに空前のセールへと成長を遂げた。
 すべての購買者の皆様、素晴らしい馬を上場していただいた上場者の皆様、そしてセール運営にかかわるすべての関係者の皆様に、心より厚くお礼申し上げます。

 かつてはセレクトセールの取引馬といえども、上位層と下位層の価格差が大きく、落札価格帯別に落札総額を集計すると、いわば「フタコブラクダ」のような取引グラフが描かれていたように思う。しかし、近年は中位層が相当分厚くなり、切れ目のない取引額が並ぶようになった。これは、セリ上場馬の質の向上と、それを競り落とす購買者層の資金力アップが顕著になってきた証だろう。
 セリ結果を分析すると、中位層に該当する4000万円~9000万円台で落札された頭数は、本年度は225頭(昨年193頭)に達し、取引全体の47.1%(同42.6%)を占めた。全体的に落札価格帯が底上げされ、取引価格の中間値は5100万円(昨年4700万円)に到達。最初から最後まで切れ目なく高額落札が続く活気あるセールだったことが、数字からも実証された形だ。
 長年のセリ実績の中で、ノーザンファームをはじめとする社台グループの馬に対する圧倒的な信頼が、セリ価格を上方に大きく引き上げていく。そして毎年のように新たな有力購買者が続々と参入し、市場を大いに活性化していく。その好循環が絶え間なく続く様子を、私は信じられない思いで眺めていた。
 その一方で、日高エリアの上場馬については、全体として価格の伸び悩みや落札率の低下が少々感じられる場面もあった。種牡馬は国内トップクラスであり、ブラックタイプ(母系解説)には母や兄弟、近親の活躍馬がずらりと並んでいるにもかかわらず、昨年までなら一段の伸びがあった競り上がりの価格が、一定のところでストップしてしまう……。
 昨年とは違う展開に、例年並みの期待値を持って臨んだ上場者は少々面食らったのではないだろうか。私なりに分析するに、購買者はその実馬や兄弟のデキにとどまらず、その上場者の「最近の競馬におけるパフォーマンス(生産馬の活躍度)」までもチェックしていたように思う。つまり、確かに上場馬の字面(血統)は立派なのだが、生産者としての直近の実績に対する期待値が、億の壁を突き抜けるまでには至らなかったのではないだろうか。
 個々の上場馬に目を向ければ、2歳新馬戦の好調な成績に後押しされ、エフフォーリア産駒の高額取引が相次いだ。1歳部門の「レディフォグホーンの2025」(牡)は、同部門の2位となる3億9000万円の破格の価格で落札。全体では15頭の上場馬がすべて落札され、落札総額18億8900万円、平均価格1億2593万円の大商いとなった(昨年は20頭の上場中19頭落札、平均価格5258万円)。エフフォーリアの今シーズンの種付料は400万円。社台スタリオンステーション繋養種牡馬の中では中堅どころの位置づけだったが、一躍時代の寵児となった形だ。その産駒も惚れ惚れする馬体の持ち主が目立ち、市場での人気に拍車をかけた。昨年に続きキタサンブラックとイクイノックスの産駒が注目される中で、堂々3番手の評価にジャンプアップしたと言える。これからも続々と活躍馬を競馬場に送り出し、その評価をさらに高めていくに違いない。
 セレクトセールの翌週、7月20日と21日には、日高軽種馬農協主催のセレクションセールが開催された。総計299頭の上場数に対し、落札頭数は269頭。落札総額52億5680万円、平均価格1954万円、落札率90.0%、最高価格8000万円を記録し、こちらも上々の成績を叩き出した。
 ここ数年、セレクションセールは開催日数やプレミアムセッションの導入・休止など、運営面で多少の不安定さが見られた。しかし本年は、初日に全上場馬がセリ会場に入厩し、2日連続でセリが開催された。結果として、購買者目線に立ったスマートな運営となり、それが好結果につながったように思う。
 セレクトセール、セレクションセールの好調な成績を受け、馬産地経済は変わらず活気あるムードに包まれている。これら取引馬が競馬場で活躍して馬主の皆様を喜ばせ、ファンの皆様がそれを応援する――。国際政治の世界ではきな臭い話題も多いが、日本経済を激変させるような有事が起きることなく、平和な日常の中で健全なレジャーとして競馬産業がさらに発展していくことを心から願ってやまない。

バックナンバー

過去の日高便り

2026年

2025年

2024年

2023年

2022年

2021年

2020年

2019年

2018年

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年

2012年

2011年

2010年

2009年

2008年

2007年

2006年

2005年

2004年