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馬産地往来

2014年2月25日

明け3歳の個性派3頭に注目

オルフェ、カナロアの跡を継ぐ馬は

後藤 正俊

 月刊「優駿」3月号で、JRA60周年を記念した「永遠に語り継ぎたい名勝負BEST60」という企画が実施され、有識者らが投票でベスト60を決定した。筆者もそのリスト作り、投票に携わったのだが、改めて60年間を見返してみると、毎年のように印象に残る「名勝負」があったことに気が付く。スターホースの引退には虚脱感を感じるが、必ず新たなスターが誕生して競馬界を盛り上げている。マスコミがよく使う「10年に1頭の名馬」は、1年に2〜3頭は出現しているもののようだ。
 今年も当初は虚脱感があった。オルフェーヴル、ロードカナロアという中長距離、短距離マイルの世界的な名馬2頭が、ピークの強さを見せたまま引退・種牡馬入りをし、「今年の競馬は盛り上がるのだろうか」という不安を感じていた。だが明け3歳世代には「10年に1頭」級の名馬が続々と登場してきている。
 京成杯を勝ったプレイアンドリアル(牡、父デュランダル=北海道トレーニングセールで700万円)は、地方競馬所属のままJRA春のクラシックに挑戦する権利を得た。あのコスモバルク以来となるのでちょうど10年ぶり。コスモバルクは3冠で2、8、4着、皐月賞はダイワメジャーにわずかに及ばなかったが、南関東へ移籍して輸送のリスクを軽減したプレイアンドリアルは、岡田繁幸オーナーが「バルクのときよりも自信がある」と明言しており、地方馬初のクラシック制覇の期待が膨らんでいる。コスモバルク・フィーバーの再現で、競馬界全体が盛り上がることも確実だ。
 バンドワゴン(牡、父ホワイトマズル)は新馬、エリカ賞を逃げ切りで圧勝している。この号が発行されるときにはきさらぎ賞が終わっているので、その実力がよりはっきりとしているだろうが、現時点では「底知れぬ」魅力にあふれている。
 ノーザンファームの生産馬だが、セレクトセール当歳で1200万円だったように、良血とはいえない。父ホワイトマズルはアサクサキングス、イングランディーレなどステイヤー種牡馬の印象が強い。母ピラミマは現役時代に2戦して、ともに15着と大敗している。「雑草」のイメージが強い。
 走り方も決してスマートではなく、首の高い走法で常に苦しそうに見えてしまう。だがゴールまでまったくバテずに、直線は後続を突き放す力強さ。かつてのカブラヤオー、ミホノブルボン、セイウンスカイらを彷彿させる逃げっぷりだ。過去の3頭も血統的には目立たなかったが、2冠を制覇した。このまま連勝を伸ばしていけば、距離適性は十分だけに「3冠」も見えてくる。
 同じ逃げ馬でもミッキーアイル(牡、父ディープインパクト=セレクトセール1歳で7600万円)はタイプがまったく違う。未勝利勝ちがマイルの2歳日本レコード。ひいらぎ賞は翌日の朝日杯FSよりも0秒5も速いタイム。シンザン記念は前後半とも完璧なラップでレースレコードだった。
 ディープインパクト産駒の逃げ馬は珍しいが、これはスピード能力がまったく違うために逃げる形になっているだけ。その点ではサイレンススズカによく似ているように見える。サイレンススズカも逃げ馬が少ないサンデーサイレンス産駒だったが、圧倒的なスピードの違いで連勝を続けた。サンデーサイレンスの特異なDNAが、ミッキーアイルにも感じられるのだ。
 母スターアイルはゲートに難点があったため大成できなかったが、スピードはオープン級のものがあった。ミッキーアイルもゲートはうまくないが、補って余りあるスピードがある。距離よりも馬場コンディションが今後を左右しそうなだけに、時計のかかる中山の皐月賞を回避しそうなのは賢明な手段。高速決着のNHKマイルCで、伝説を作ってくれるかもしれない。
 個性的な3頭の3歳牡馬が歴史的な名勝負を繰り広げ、2014年の競馬を思い切り盛り上げてくれそうだ。

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