重賞勝ち馬News

Stallion in Japan

会員の勝ち馬

取引馬データベース

よくある質問

日本競走馬協会について

バナーエリア

馬産地往来

2012年10月23日

地方と中央の融合が進行中

交流重賞に始まり馬券発売もスタート

後藤 正俊

 9月23日に盛岡競馬場で行われた地方競馬唯一の地方全国交流2歳馬芝重賞、第14回ジュニアグランプリ(芝1600メートル)は、直線内から抜け出したセラミックガール(牝=道営・田中淳)が、追い込むメロディアス(牝=道営・角川)を4分の3馬身差退けて、重賞初制覇を果たした。北海道4頭、岩手7頭の北岩対決となったが、結果は1、2着が北海道勢で地元勢を席巻した。北海道勢は08年のエイブルインレースから、この5年間で4勝目となった。
 セラミックガールは父ダイワメジャー、母アスクレピアス(その父ヘクタープロテクター)の血統で、ノーザンファームの生産馬。2着メロディアスは父ゴールドアリュール、母フォルナリーナ(その父カポーティ)でこちらは社台ファームの生産馬。これまで北海道勢で勝利した3頭はいずれも社台ファームの生産馬で、まるでJRAのレースのように社台グループが勝利をもぎ取っている。エイブルインレースはその後、JRAレースに出走してクイーンC3着となっており、より芝血統色の濃いセラミックガールも今後のJRA挑戦が楽しみになってきた。
 道営での社台グループの活躍は、この2頭だけではない。ブリーダーズゴールドジュニア、フローラルカップと重賞2連勝を含む3戦全勝で道営2歳トップに立つカイカヨソウ(牝=広森、父ティンバーカントリー、母マチカネヤマザクラ)はノーザンファーム生産でクラブ法人キャロットファームの所有。広森師は2年前のフローラルカップ勝ち馬で、南関東で3歳2冠を制した同じノーザンファーム生産馬クラーベセクレタ(牝4歳、父ワイルドラッシュ)と「素質は遜色ない」と高い評価をしている。ブリーダーズゴールドジュニアでカイカヨソウに迫る2着になったアウターバンクス(牡=広森、父ロージズインメイ)、フローラルカップ3着のコルチナ(牝=林、父ハーツクライ)、栄冠賞2着のアウトジェネラル(牡=広森、父アドマイヤドン)、JRAのクローバー賞2着で札幌2歳Sに駒を進めたジェネラルグラント(牡=広森、父ロージズインメイ)もノーザンファーム生産馬だ。
 社台グループが道営2歳戦に参戦するようになったのはこの5~6年ほど。外厩制度を利用したビッグレッドファームのコスモバルクの活躍が刺激になった
ミーズスマイル(JRA・アネモネS)など傑出馬を送り出していたものの、その血統レベルの違い、先進的な調教施設などを考えると、期待の大きさほどは活躍できていないようにも見えた。社台グループの誇るアグネスタキオンやクロフネの産駒が、いかにも地方競馬らしいゴールドヘイローとかクラキングオーなどの産駒に敵わないシーンは、やや衝撃的にも感じた。サンデーサイレンス産駒でもJRA未勝利に終わる馬が多いのだから、JRA1000万条件クラスの実力がある道営トップクラスにまったく敵わない馬がいるのは当然のことなのだが、血統やブランドに幻想を抱いていたのかもしれない。
 道営関係者にしてみたら「こちらは1歳秋から馴致をして、2歳春にデビューさせる仕上げをずっと昔からやってきたのだから、いくら社台グループだからといって入厩前の育成だけをやってきた牧場に、2歳戦で簡単に負けるわけにはいかない」という意地があった。社台グループにしても「こんなはずじゃない」という自信もあった。そのお互いの切磋琢磨が道営2歳馬のレベルをさらに高めてきた。今年の社台グループ2歳馬の大活躍は、生産・育成界をけん引する社台グループが「本気」になった証拠といえるだろう。決してJRAレベルからはじかれた馬ではなく、JRAでもオープン級の活躍を見込める素材を、どんどんと道営に投入してきた結果だと考えられる。
 10月3日から地方競馬の統一グレードレース当日などの馬券が、JRAのPATで発売されるようになった。道営で開催される2歳牝馬のエーデルワイス賞、牡馬の北海道2歳優駿、そして川崎の全日本2歳優駿に社台グループの2歳馬が出走してくれば、JRAファンにも馴染みが深いだけに、より馬券的な興味が沸いてくることは間違いない。芝適性の高い馬は、クラシックを目指してJRA入りしてくるだろうから、その意味でも目が離せない。もちろん「社台に負けるな」という地方関係者の意欲もさらに高まってくる。中央と地方の融合が、この2歳世代から大きく進みそうだ。

バックナンバー

過去の馬産地往来

2022年

2021年

2020年

2019年

2018年

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年

2012年

2011年

2010年

2009年

2008年

2007年

2006年

2005年

2004年