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馬産地往来

2006年2月1日

日本競馬再生のシナリオ

岡田繁幸氏が唱えた厩舎制度改革への道

後藤正俊

 1月20日に静内町コミュニティセンターで、 サラブレッドクラブ・ラフィアンの創立20周年記念パーティが開催された。 代表の岡田繁幸氏がこれまで生産馬を購買した日高の牧場関係者を招待して開いたもので、 参加者は400人を超す盛大なものとなった。 岡田氏の購買力が日高の大きな支えになっていることを改めて示したパーティとなった。
 このパーティの冒頭で岡田氏は、 異例とも言える40分にわたるスピーチを行った。 ここで披露された岡田氏独自の 「日本競馬再生のシナリオ」 は非常に興味深いものがあったので、 ここでまとめてみる。
 1いまの日本競馬の最大の問題点は、 JRAトレセンの高すぎる預託料にある。 この預託料が馬主経済を圧迫し、 さらに個人馬主の撤退を生んでいる。
 2預託料が高い原因のひとつに厩務員組合の存在があり、 真の意味での競争原理が働いていない。
 3一方、 地方競馬は衰退の一途をたどっており、 売り上げの減少が賞金、 諸手当の減額を呼び、 夢のない競馬になり果ててしまっている。
 4これらの問題点を解消するために、 すべてのJRA競走に地方競馬枠を設けることを提唱したい。
 5さし当たって各レースに3頭の出走枠を設け、 さらにフルゲートに満たないレースはフルゲートになるまで地方馬が出走できるようにする。
 6その結果、 JRA競走は全レースがフルゲートとなり、 馬券の売り上げ増につながる。 また地方競馬では、 安い預託料で中央出走を目指す馬主が、 新たに地方の厩舎へ所有馬を預託するようになる。
 7地方の預託馬が増加すれば、 中央のトレセンも現在のようには入厩馬を確保できなくなって危機意識が高まる。 預託料の引き下げを行わざるを得なくなる。
 8東西4200馬房で、 もし預託料が平均20万円安くなったとすれば、 年間100億円の資金が浮くことになり、 それは新たな馬購入のために馬産地へ還流することになる。
 この岡田氏の論理は確かに筋が通っている。 馬1頭の管理費が1カ月60~70万円というのは、 いくら馬主というものが 「金持ちの道楽」 だと言われているにしても、 あまりにも高額過ぎる。 もちろん一流の成績を残している厩舎は預託料を100万円にしてもいいのだが、 ほぼ一律、 という設定はやはり疑問が大きい。 調教師が厩務員を選べないとか、 美浦では持ち乗りが認められていないなど、 確かにいまの中央競馬の厩舎制度はおかしなところだらけである。
 それはJRAも感じており、 メリット制の導入など徐々に改革は進めているものの、 やはり厩務員組合の問題もあってなかなか思い通りにはなっていない。
 だからといって、 JRAが全レースを地方馬に開放するなどという改革を行うはずもない。 これだけ地方競馬の危機が迫っていてもJRAは 「地方競馬はライバル」 というスタンスを変えておらず、 助け船を出すことはほとんどしていない。 サラブレッド競走を導入した福山にいる認定馬ですら 「まだ実績がない」 という理由で特指競走への出走を拒否しているようでは、 とてもこれ以上の開放は望めない。 調教師組合、 騎手組合も大反対だろう。
 だが、 馬産地のカリスマとして絶大な影響力を持っている岡田氏の提案を、 まったく無視することもまた、 できないだろう。 岡田理論の正当性を象徴する存在であるコスモバルクは、 有馬記念4着と見事な復活を見せて、 今年もホッカイドウ競馬に所属しながらのJRA挑戦を続けていく。 判官びいきのファンはその姿をさらに応援していくだろうし、 岡田氏がマスコミの前に登場する機会もさらに増えていく。 その発言はファンの意識にも少なからず影響を与えていく。 実際、 コスモバルクの登場で、 JRAの規定は多少ではあるものの変わってきているのだから、 今後はさらに変革を呼ぶ可能性もなくはない。
 生産者にとって、 実質的に馬を購入している厩舎 (調教師) にモノを申すということは、 なかなかできるものではない。 それをやってのけている岡田氏の今後の言動に、 さらに注目していきたい。

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