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馬産地往来

2012年2月27日

NARの快挙 部門別牝馬表彰

「牝馬の時代」に応え馬産地支援にも

後藤 正俊

「NARグランプリ2011」の表彰式が2月2日に行われた。年度代表馬は今回もまたフリオーソ(牡7歳=馬齢はいずれも
11年当時、船橋・川島正行厩舎)。過去5年間で4度の受賞という快挙を達成したことになる。
 その表彰式をさらに華やかなものにしたのが、今年度から新たに創設された各カテゴリー牝馬部門の表彰だった。4歳以上最優秀牝馬はラブミーチャン(牝4歳、笠松・柳江仁厩舎)、3歳最優秀牝馬はクラーベセクレタ(牝3歳、船橋・川島正行厩舎)、2歳最優秀牝馬にはエンジェルツイート(牝2歳、大井・森下淳平厩舎)が選出された。
 NARグランプリではこれまで最優秀牝馬部門の表彰が行われていたが、11年度からはこれを拡大した。昨今は「牝
馬の時代」といわれるほど世界中で名牝の活躍が続いている。牝馬の活躍は競馬界のムードを華やかにするだけでなく、女性ファン開拓のきっかけにもなっているし、何よりも牝馬の取引で苦しんでいる生産者にとって牝馬に注目が集まることは、セリ市での売却価格、売却率に好影響をもたらす可能性がある。地方競馬と日高の生産者はある意味で一心同体であり、牝馬の価値増大は双方が望んだことだった。
 このNARグランプリ牝馬部門の新設は、2010年からスタートした「GRANDAME JAPAN」(グランダム・ジャパン)とも密接に関係している。「ロジータふたたび。」をキャッチフレーズにしたグランダム・ジャパンも、馬産地との思惑が一致して実施されたものだった。主催は各地方競馬運営者だが、社台スタリオンステーション、ジャパンブリーダーズカップ協会、日高軽種馬農協の馬産地3団体の協賛があったことで総額2800万円のシリーズボーナス賞金が確保できた。
 10年の第1回はまだ制度が全国的に浸透していないこともあってやや盛り上がりに欠けた印象だったが、11年は3歳シーズンで兵庫のマンボビーンが福山、佐賀、川崎に遠征してシリーズ6戦のうち4戦に出走し2勝2着1回の好成績を残して34ポイントを獲得。古馬シーズンではJRAオープンのエーシンクールディがこのシリーズのために笠松に移籍し、やはりシリーズ4戦に出走して3勝3着1回と断トツの成績を残して王座に就いた。
 この成績に、NARグランプリ選考委員会では「ダートグレード競走での良績がなくても、グランダム・ジャパン女王は最優秀馬候補に入れるべきだし、馬産地、各主催者の牝馬振興を後押しする意味でも各カテゴリーに牝馬部門を新設することが望ましい」との声が上がり、これまでの「最優秀牝馬」を廃止し、2歳、3歳、古馬の各カテゴリーに牝馬部門が新設されることになった。結果としてグランダム・ジャパン女王はいずれもタイトルを逃したが、選考委員会の場で候補に挙がり論議されたことだけでも、今後のモチベーション向上につながっていくはずだ。
 このグランダム・ジャパンの発展や、JBCレディスクラシックが新設されたことも影響して、地方競馬の牝馬レベルは確実に高まっている。3歳最優秀牝馬に輝いたクラーベセクレタは牡馬相手に羽田盃、東京ダービーの2冠を制し、JRA勢が相手となったジャパンダートダービーは3位入線(禁止薬物検出で失格)と、NARグランプリに牝馬部門が新設されなかったとしても3歳最優秀馬に輝いたであろう成績を残した。
 2歳はさらに層が厚く、2歳最優秀牝馬に選出されたエンジェルツイート、グランダム・ジャパン2歳シリーズ王者のショコラヴェリーヌ以外にもエミーズパラダイス(東京2歳優駿牝馬2着)、シーキングブレーヴ(エーデルワイス賞2着、北海道2歳優駿3着)、ドラゴンシップ(ハイセイコー記念、ローレル賞)など好素質馬が目白押しとなっている。
 3歳時に南関東3冠、東京大賞典、浦和・桜花賞を制し地方競馬史上最強の名牝と呼ばれているロジータは、繁殖入り後も産駒オースミサンデー(弥生賞2着)、イブキガバメント(朝日CC、鳴尾記念)、カネツフルーヴ(帝王賞、川崎記念など)、アクイレジア(ジャパンダートダービー2着)、さらに孫のレギュラーメンバー(JBCクラシック、川崎記念等)など、JRA、NARを問わずに競馬場を賑わせる子孫を送り出している。
 種牡馬は多頭数交配時代を迎えて地方活躍馬の種牡馬としての成功は厳しい状況になっているが、牝馬は繁殖牝馬として産駒を競馬場にフィードバックさせる確率が高い。それにNARグランプリやグランダム・ジャパンのタイトルが付加価値として加われば、一流種牡馬との交配で成功の道がより開けてくる。
 ロジータ級の名牝が登場し、地方競馬、馬産地を盛り上げていく道筋は着実にできつつある。

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