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馬産地往来

2006年4月1日

道営競馬を支えるモエレ軍団

馬場改修こそ道営の最優先課題だ

後藤正俊

 4月17日から06年度ホッカイドウ競馬が開幕するのに向けて、 2歳馬の能力検査が3月から行われている。 そのなかで今年も目立っているのが 「モエレ軍団」 だ。
 ホッカイドウ競馬に入厩しているモエレ軍団の2歳馬は3月末の時点で39頭。 そのいずれもがJRAデビューしても当然の良血馬だ。 3月30、 31日に門別競馬場で行われた能力検査をこのうちの13頭が受検し、 いずれもセンスの高い走りを見せて余裕たっぷりに合格した。
 この数年のホッカイドウ競馬の2歳戦はモエレ軍団が引っ張ってきている。 一昨年はモエレフェニックス、 モエレアドミラル、 昨年はモエレソーブラッズ、 モエレジーニアスなどが、 ハイレベルといわれているホッカイドウ競馬の2歳戦のなかでも圧倒的な存在感を見せてきた。
 昨年のサンデーサイレンスの牡馬3頭のような超高額馬はいないが、 母マイライフスタイルがサンデーサイレンスの全妹というモエレカバーガール (牝、 父フレンチデピュティ)、 モエレフェニックスの弟モエレインパクト (牡、 父フサイチコンコルド)、 ダイナシュガー産駒のモエレアルマゲドン (牡、 父ダンスインザダーク) など、 全体的なレベルはいままで以上に高い。 ホッカイドウ競馬の目玉である2歳戦を支えているのは、 間違いなくこのモエレ軍団だ。
 ほとんどの方はご存知だと思うが、 このモエレ軍団とは三石・中村畜産の中村和夫氏の所有馬。 同氏は札幌市東区のモエレ沼で 「モエレ健康センター」 という温泉施設を経営しており、 その名前を冠にしている。
 セリ市では 「ほしい馬は価格なんて関係ない。 いくら出しても手に入れる」 と、 ハギノカムイオーをはじめ超高額馬を落札し続け、 「日高のドン」 とも呼ばれている中村氏。 その中村氏が 「このままホッカイドウ競馬が衰退し、 廃止されてしまったら、 日本の馬産は死んでしまう」 と憂いて、 所有馬のほとんどをホッカイドウ競馬からデビューさせることに決めたのだ。
 モエレ軍団を多く預かる堂山芳則調教師はこう話している。
「日本の馬産についてこれだけ真剣に考えて行動されているのですから、 まさに日高のドンです。 『ホッカイドウ競馬を何とかしないといけない』 と言葉で言う人はいくらでもいますが、 実際にここまで徹底して行動に移している有限実行の人は中村氏しかいないのではないでしょうか。 1億円以上で買ってきた馬を1着賞金20万円のレースが行われているホッカイドウ競馬でデビューさせるなんて、 普通は考えられないことです。
 でも中村氏は 『道営で勝てないような馬が中央でデビューしても活躍できるはずがないでしょう。 それにどれだけ走れるかわからない、 いつデビューできるかわからないような馬を1カ月60万円も払って預け続けているのは馬鹿らしいこと。 それなら1カ月20万円程度の預託料の地方競馬でデビューさせて、 見込みがついてから中央へ移籍させるというのは、 ごく当たり前の考え方のはず』 と言ってくださっている。 そのスケールの大きさ、 男気には本当に感動しています」
 ホッカイドウ競馬はこの中村氏の男気にいつまでも甘えているだけではダメだろう。 これだけの素質馬が走るのにふさわしい環境整備をしなくてはいけない。 先日の能力検査は降雪の影響でドロドロの馬場状態のなかで行われた。 だがいくら大量の降雪があったとはいえ、 あまりにもひどい馬場であった。
 これは馬場改修を行っていないため、 水はけが極端に悪くなっているためだ。 この門別競馬場は今年度中にようやく馬場改修に踏み切る予定になっているが、 もっとも多く使用している旭川競馬場はまったく改修の予定がない。 路盤がほとんどなくなっている旭川競馬場は踏ん張りが利かず、 故障が多発する大きな原因になっている。
 こんな馬場で調教や競馬をしているのでは、 他の馬主は中村氏と同じような考え方を持ってくれないだろう。 経費削減はもちろん競馬存続のために重要なことではあるが、 肝心の舞台である馬場にお金をかけられないような競馬では、 存続させている意味もなくなってしまう。
 モエレ軍団からJRAクラシックを目指せる馬がさらに多く登場してもらうためにも、 中村氏のあとに続く馬主に出てきてもらうためにも、 そして何よりもホッカイドウ競馬のために、 まずは早急に馬場改修に取り組んでもらいたい。

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